書籍の感想

有頂天家族を読みました

先週感想を書いた夜は短し歩けよ乙女の森見登美彦さんの有頂天家族を読みました。

物語は、京都の礼ノ森に住む狸の名家・下鴨家の父であり、狸界のトップにいる総一郎がある日、狸鍋にされ死去。遺されたのは母と四匹の息子。生真面目だけど土壇場で弱い長男の矢一郎、狸でいることをやめ蛙になり井戸で暮らす次男の矢二郎、面白いことを考え周りを困らす三男の矢三郎、化けることが下手な四男の矢四郎。そんな下鴨一家に犬猿の仲の宿敵狸、夷川家や落ちぶれた天狗の赤玉先生、そんな赤玉先生を袖にし天狗の能力を持った人間の弁天など狸・天狗・人間が巻き起こす三つ巴の化かし合いが始まる…

結構おもしろい作品で、終盤にかけて一気に読めてしまうほど作品に入り込めるけど…

個人的にはこの前に読んだ夜は短し歩けよ乙女のほうが好きかなぁ…

森見さんの世界ってあまりにもファンタジー過ぎる作品が多いのかなぁっていう印象がこの作品で強くなったのは確かで、きっとこの人の作品は中・高校生には受けるのではないだろうか。

たぶん高年齢者には受け付けない気が…

ストーリーはおもしろいし、個々のキャラクターも皆が魅力的な面を持っている。読み終わって次回作が読みたくなるのは良いことなんだろうけど、次回作はいつ出版されるのだろう?

すでに連載は始まっているけど、書籍にされるまでは読む気はない…

シリーズものはまとめて読みたい派の自分としては、書籍化されたときに自分のこの熱が冷めていなければ良いんだけれど…

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禁断のパンダを読んだ

今年のこのミステリーがすごい!大賞を受賞した拓未司さんの禁断のパンダを読んだ。

内容は、フレンチレストランを営む料理人の柴山幸太は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴で昔、有名だった料理評論家の中島と出会う。一方、披露宴の翌日に一人の男性の刺殺体が発見、警察の捜査の結果、その男性が木下貴史の父親が経営する会社に勤務していること、そして木下貴史の父親も消息不明だといいことが明らかになる…というストーリー。

感想を言っちゃえば、おもしろい!

かなりオススメの本だけど…

このミステリーがすごい!大賞という看板は邪魔かな。

だってミステリーという部分での評価なら普通、というかバレバレでおもしろくはない。

しかもストーリーでの会話が関西弁っていうのは今まで読んだことないからいいようにも思えるけど、個人的にはちょっと読みづらかったかなと感じることもある。

だけど、喰いタンのような食をテーマにした本と考えれば本当におもしろい本で、一度読んでみるのもいいのではないかと薦めたくなる本でした。

たぶん実写化されそうなくらいのエンターテイメント性もあるし、本当にオススメです。

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夜は短し歩けよ乙女を読んだ

森見登美彦さんの夜は短し歩けよ乙女を読んだ。

物語を簡単に説明するとは、同じ大学の黒髪の乙女に恋をした主人公。彼女の気を引こうといろいろ試みるのだが…

正直、ラブストーリーは嫌いです。現実感を装うだけでまったくリアリティーがない。恋に恋する女子高生みたいな感じで、見ていても読んでいても体が痒くなります。

でもこの作品は違うんです。

読んでいて引き込まれます。

この作品に出てくる黒髪の乙女。天然というか純粋というか、物事を多く知らない女の子で、キャラクター的には秋葉原にいる男の人たちが好きそうな感じの女の子。読んでいると作者はそっちの方なのかなぁなんて思ってしまうくらい現実的ではない女の子です。

ハッキリ言って嫌いなタイプのキャラクターなのに惹かれちゃうんです。

そして主人公。これはただのストーカーです。

でも必死なんです。どうにかしようと頑張ってるんです。

別にストーカーを容認するわけではないけど、でも「頑張れ」って応援したくなるんです。

そしてストーリー。さすがに直木賞候補にも挙がる程なんだから文句の付けようもないです。

ただ…

自分は京都の街を知らないためか、いまいちピンとこない部分があるんだよなぁ…

でも人に勧められる良作だと思います。読んでいない人は読んでみては?

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警官の血を読みました

2008年版のこのミステリーがすごい!で1位に輝いた佐々木譲さんの警官の血(上・下)を読んだ。

内容は、戦後警察官になった安城清二は男娼殺害事件、鉄道員殺害事件を捜査中に謎の転落死をする。数年後、清二の息子の民雄も父を見習い警官になる。しかし命じられた過激派への潜入捜査により精神不安定に。数年後、父親と同じ駐在警官になり精神も安定したことで父親の死に疑念を感じた民雄は独自捜査をするのだが…。数年後、民雄の息子の和也も警官になるのだが、和也もまた特命を受けることに…という警察官三代の人生を描いた巨編

さすがに上下合わせれば800ページ近くもあるんだから読み応えは十分なくらいだけど…

別に否定的なことを言いたいわけではないけど、このミス1位という看板が付いちゃうとどうなんだろうって言うのがホンネ。

まぁ、去年のこのミス1位に比べれば、全然おもしろいと言えるけど、僅差で2位や3位だった作品を読んでみればわかるのかなぁ…

別にこの作品をつまらなかったなんて言う気は無い。批判するわけでもない。親子三代のストーリーでのリンクもそうだけど、結構おもしろいと思う。

ただ、このミス1位っていうのはハードルが上がり過ぎたかなぁ…

それにこの作品を人に薦めるくらいならもっと良い作品はあるような気もするんだけど…

個人的にはこの作品を薦めるなら、伊坂幸太郎さんの新作、ゴールデンスランバーを薦めます。

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雅楽戦隊ホワイトストーンズを読んで

鈴井貴之氏の雅楽戦隊ホワイトストーンズを読んだ。

水曜どうでしょうで好きになった鈴井貴之氏の作品だけど、この作品の感想は微妙の一言。

まず気になったのは文章が脚本に近い。作られた脚本を書籍にするために文章化した感じが読んでいてすごく気になった。まぁ、あとがきで元ネタはテレビ用に作った脚本と言っているけど、読んでいてすごく気になった。

そしてもう一つ。

サスペンス要素が含まれているけど、薄い。

ハリウッド的なサスペンスネタ。個人的には大嫌いな手口だけど、作品のはじめに登場人物の関係図を読んだ時点で何となく嫌な予感はしていたけど、まさかそれをやっちゃうとは…

正直、褒め所はないのがホンネ…

鈴井さんが好きな方は読んでみればという感じですかね。

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ゴールデンスランバーを読んで…

伊坂幸太郎さんの新作、ゴールデンスランバーを読んだ。

感想は…

今年読んだ本の中では自分のなかのベスト3には入るかな。

内容は日本の総理大臣が仙台でのパレードの最中に爆発事故で死亡。その容疑者にされた主人公の青柳は友人からお前は陥れられていると忠告を受け逃げ回る…というあまりにも簡単に説明した感じだけど…

この作品の良さは、ストーリーの進め方。

第1章で事件が起き、

第2章では事件をテレビで目撃し、犯人の逃走から出頭するまでをテレビ中継を見ている人からの視点で描き、

第3章に事件の20年後にその事件について本を書いた人の中身を書き、

第4章で事件そのものを事件の実行者にされた主人公とその周りの人物の視点で描き、

最後に事件の3ヵ月後のストーリーを描くという展開。

だから読んでいくうちに前のストーリーを読み戻したくなるほどうまく作られていて、会話の中にヒントがあったり、行動にも実はヒントが隠されているといった巧妙なストーリーにビックリしっぱなしでした。

最後の事件の3ヵ月後には涙が出そうになるくらいグサっと突き刺さる何かがありました。

かなりのオススメ本です。是非、一度読んでみては?

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ハッピーエンドにさよならをを読んで

歌野晶午さんのハッピーエンドにさよならをを読んだ。

毎度のことながら歌野晶午さんのほんには驚かされるが今回も見事に驚きの連続だった。

結構現実的な設定の11の短編ストーリーなのに、嫌になるくらいに全てがハッピーエンドにはならない。

この作品を読んだのは私生活で落胆した時期で、正直読むのを一度はためらったけど、歌野晶午さんの作品だから読んでしまった。気が滅入るようなら途中で読むのをやめようと思ったけど、結局最後まで読ませてしまうところが歌野晶午さんの作品の魅力なんだろう。

個人的にどれもよかったけど、サクラチルは衝撃的だったなぁ…

望みどおりの結末になることなんて、現実ではめったにないと思いませんか?

帯で訴えかけるように書いてある言葉。

この一文で気付いたのはこの作品はバッドエンドが逆にハッピーエンドなんではないのだろうかということだろうか…

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ミッキーマウスの憂鬱を読んで

松岡圭祐さんのミッキーマウスの憂鬱を読んだ。

感想は…

フツウ…

史上初!ディズニーランド青春小説!

このキャッチコピーを見て読んだけど、この作品で描かれているディズニーランドのバックステージというか裏話は本当のことなのだろうか?

別に事実を描いたかではなく、気ぐるみとは言ってはいけない話だとか、ランドとシーの関係なんかのことだけど…

もし本当なのだとしたら、この作品を関係者が読んでどう思うのか?

夢を売る商売のディズニーランドで、この作品は現実を教えてしまっている。別に本は本屋で買い、その本をランド内で読むわけではないから構わないというのだろうか?果たしてどうなんだろう。

まぁ、それくらい結構リアリティある作品で、社員と準社員・派遣の人間の差別化なんかは読んでいて、夢を売る商売を舞台にこんな社会の現実なんか描いちゃっていいのかよって素直に感じてしまいました。

ディズニーランドに興味がある人や好きな方は一度は読んでみるのも良いと思います。

ただストーリーの終盤、読んでいて踊る大走査線を思い描いてしまったのは自分だけでしょうか?

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正義のミカタを読んで

本多孝好さんの正義のミカタ ~I'm a loser~という本を読んだ。

感想は…

微妙…

ストーリーはというと、高校時代にイジメられていた主人公の亮太が大学に入学すると同時にイジメられっ子から卒業しようと大学へ入学。大学ではひょんなことからトモイチと出会い正義の味方研究部に入部。学内で起こる様々なトラブルを解決していくのだが、ある事件をきっかけに本当の正義とは何だろうかというギモンにぶつかるといった感じのストーリー。

微妙という感想を言ったけど、物語の序盤は本当に面白く、学内の悪事を正す正義の味方というストーリーにのめりこんで読めるんだけど、本当の正義とはという正義の見方についての部分から全てが矛盾しだすのにはビックリ。というかガッカリした。

だって要は視点の問題でしょ。強者の正義論と弱者の正義論の違いを部長は語り出し、自分は究極の弱者みたいに言っておきながら亮太に対してあそこまでするか?あんなブチ切れることが出来るなら昔イジメられていたときに普通ならキレると思うんだけどなぁ…

亮太の言い分も分からなくはないが、研究部の言い分も間違っているわけではない。ましてや間先輩の言い分だって納得できる。結局のところ、正義の見方なんて十人十色なわけだし、そんなこと正義の見方に限ったわけではない。物事全てにおいて色んな言い分があるんだから…

この本を簡単に分かりやすく説明するなら、ウルトラマンは怪獣をやっつける正義の味方のように見えるが、その怪獣が本当に悪なのか?ましてやウルトラマンに街を破壊された住人たちはウルトラマンを正義と思うか?そういう正義について考える作品といった感じだろう。

ただ亮太とトモイチの大学を通じての友情物語はおもしろいし、二人についての続編を個人的には期待しているんだけど、続編はないだろうなぁ…

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海堂尊『夢見る黄金地球儀』を読んで

海堂尊さん夢見る黄金地球儀を読み終えた。

海堂さんといえば、デビュー作のチーム・バチスタの栄光から医療を題材とした作品しか出てないんだけど、今作は医療とはまったく関係がない。

今作を簡単に説明すると、ふるさと創生基金の1億円で作った純金をはめ込んだ地球儀を盗もうという話。

実際、日本ではこのふるさと創生基金というのは1988年にあって、これを題材にしているのだけど、だからといって事実ではなく登場する地名も海堂さんの作品ではお馴染みの桜宮市。

ということだから、嫌が追うにも医療シリーズとの繋がりを気にするのだけれど時代設定は2013年。でも実は出てきます。

ナイチンゲールの沈黙の浜田小夜、牧村瑞人のその後の姿や、螺鈿迷宮ジェネラルルージュの凱旋の中のネタなど…

こういうことを言っちゃうとこの作品たちも読まないと楽しめないみたいに聞こえちゃうけど、別にそういうことはない。単品で十分楽しめる作品。でも、ナイチンゲールの沈黙は読んでおくと中身の深さを知ることになるかも…

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金城一紀『映画篇』を読んで

いつも映画の感想ばかりなんで、たまには…というよりは初めてなんだけど本の感想を書くことにしよう。

まぁ普通なら一番おススメの本を紹介するのだろうけど、今回は最近読んだ本の中から一番おもしろかった作品を紹介。

金城一紀さん映画篇

放送中のドラマSPでは原作・脚本を務めている金城一紀さんだけど、今作は映画をモチーフにした5つの短編集。短編とはいうが実は微妙に繋がりがある作品集で、ちょっと伊坂幸太郎さんスタイル的で良いんですよね。

個人的には太陽がいっぱいでうまく引き込まれました。太陽がいっぱいは金城さんスタイルというのか在日韓国人と日本人の友情を描いているんだけど、賛否両論あると思うけどラストは良い。読んで欲しいから言いませんけど、このラストは本当に良かったです。

で間とんで…最後の作品の愛の泉は、金城さんらしい作品だと思う。らしい作品といっても登場人物に在日韓国人は出ないが…いや、太陽がいっぱいに出てくるキャラが出ますが…登場人物のキャラ設定とかは特にそんな感じがしました。主人公と、同い年の従兄弟の二人での会話とかは、良い話なんだけど笑いにする部分。なんかもうあるあるではなく、いるいるそういう奴って言うカンジ。

まぁ、褒めるくらいしかないと言うほど自分の中では良かった作品で、いつか映像化されるだろうなぁ…なんて思いながら、続編が出ることを期待しています。

映画篇 映画篇

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